素晴らしい演劇との出会いがあなたの人生を豊かに

­
文字サイズ:

劇団民藝「グレイクリスマス」


◆例会日程 <会場 
アリオス・大ホール>

2026年

2月19日(木)開演6:30
2月20日(金)開演1:00

上演時間2時間35分(休憩15分)

作=斎藤 憐  演出=丹野郁弓
出演=中地美佐子、千葉茂則 塩田泰久、岡本健一(客演) ほか

奈良岡朋子から華子役を受け継いだ中地美佐子の「憲法前文」の朗読が、
観るものの胸をうつ

あらすじ
敗戦の年のクリスマス。進駐軍の将校クラブに母屋を接収され、離れに追いやられた五條伯爵家。天皇は人間になり、華族制度は廃止。生活力のない当主、戦犯になった弟、ヒロポン中毒の息子らの中で、後妻の華子ら女たちはたくましくも将校クラブのホステスを引きうけた。闇屋の権堂や日系二世の軍人ジョージ・イトウが出入りする離れの宴。華子はジョージの説くデモクラシーの理想に胸ときめかし、愛を膨らませるが、やがて旧勢力が息を吹きかえしていく…。

作品について
民主主義の理想に燃えた敗戦直後。アメリカの占領政策が激変する朝鮮戦争が始まるまでの5年間を、伯爵家のクリスマスを舞台に描いた斎藤憐の傑作戯曲。日本人の「デモクラシー」受容および現代日本の自画像を喜劇的に描き、「デモクラシー」とは私たち一人ひとりの実践にかかわっていることを訴えます。
ラスト、奈良岡朋子から華子役を受け継いだ中地美佐子の「憲法前文」の朗読が、観るものの胸をうちます――。

エイコーン「愛の賛歌 ピアフ」


◆例会日程 <会場 
アリオス・中劇場>

2026年

4月11日(土)開演6:30
4月12日(日)開演2:00

上演時間1時間30分(休憩なし)

作=エディット・ピアフ  構成・演出=加来英治志
出演=栗原小巻  演奏=城所潔(ピアノ) 長谷川清司(ドラマー)

愛に傷つき、歌に生きたシャンソンの女王「エディット・ピアフ」の真実を
栗原小巻が情熱的に演じ・歌う一人芝居。

作品について
喜びと苦悩、シャンソンの女王エディット・ピアフの人生は、美しく、しかも泥にまみれていた。
その純粋な魂が、人々の心を打つ。
両親、祖母、恋人、友人、歌、舞台、絶望、復活、そして真実の愛…。
「私の人生は、まもなく終わるでしょう。そしてその時がきたら、いろんな人が私の事を語り
はじめるにちがいない。でも、みんなの話があまりに真実と違っていたら、私がどんな人間
だったのか、本当のことは誰にも解らなくなってしまう。
時間のあるうちに、自分のことを話しておきたい」。ピアフはこの「自伝」を書き終え、
まもなく亡くなった。
そのピアフの波乱万丈の人生を、栗原小巻が一人で表現する渾身の話題作!

ものがたり
『パリの大道で歌っていた一人の娘が、とあるクラブの経営者に見いだされた。
「そうだな君の名前をピアフ(雀)にしよう」と。
歌手エディット・ピアフの誕生である。 恩人であったクラブの経営者の不審な死、
第2次世界大戦中のレジスタンスへの協力、最愛のボクサー、セルダンの不慮の死、
その中で多くのシャンソン歌手を育てあげた。
40 代になって不幸の連続…交通事故、麻薬、アルコール中毒。愛と孤独と裏切り。
喜びと苦悩に彩られた、波乱万丈の人生。
1963年10 月、ピアフは47歳の若さで帰らぬ人となった。

オペラシアターこんにゃく座 オペラ「森は生きている」


◆例会日程 <会場 
アリオス・中劇場>

2025年

11月10日(月)開演1:00/開演6:30(1日2回公演)

上演時間2時間10分(休憩15分)

原作=サムイル・マルシャーク  訳=湯浅芳子
演出=眞鍋卓嗣  台本・作曲=林光
出演=オペラシアターこんにゃく座

歌役者による生の歌声とピアノの音色、色鮮やかな衣裳、美しい舞台セットと

照明効果によって、観ている人たちを一瞬にして物語の世界へ誘います

あらすじ
新しい年を迎える大晦日、年若くわがままな女王が、四月に咲くマツユキ草がほしいと言い出したため、国じゅうは大騒ぎ。ほうびの金貨に目がくらんだ継母と姉娘のいいつけで、マツユキ草を採ってくるようにと一人のむすめが真っ暗な森に追いやられます。森に出かけたむすめは、そこで一月から十二月までの月の精たちと出会います。むすめの話を聞いた四月の精は、他の月たちに頼んで一時間だけ「時」をゆずってもらいます。冬の森はたちまち春へと季節をかえ、むすめの目の前で一面にマツユキ草が顔を出します。むすめの帰りを待ちかまえていた継母と姉娘はマツユキ草を取り上げ、宮殿の女王の元へ。女王は、みずからマツユキ草を摘むために家来たちを引き連れて森へと出かけていきます。しかし、そこで待ちうけていたものは・・・。

作品について
オペラ『森は生きている』は1992年の初演以来、毎年上演を重ねているこんにゃく座の代表的なレパートリ―のひとつです。これまでに1992年岡村晴彦、2005年高瀬久男(文学座)、2012年大石哲史(こんにゃく座)、2021年眞鍋卓嗣(劇団俳優座)が演出を手がけています。
ロシアの民話を元にサムイル・マルシャークがこの物語を書きあげたのは今から約80年前のことです。当時の時代背景も影響し、マルシャークは子どもたちのために児童文学の執筆に力を入れていました。(マルシャークは戦争で犠牲になった子どもたちを救援する仕事に、ある時期携わっていました。)
ファンタジーでありながら自然や人間の本質を描いたこの物語は、林光作曲の生き生きとした音楽と結びつき、子どもから大人まで多くの人を魅了してきました。
演出の眞鍋氏は作品の本質に立ち返り、自然の理と対峙する登場人物の姿を通して、新たな角度で「今」を照射するオペラへと仕上げました。
歌役者による生の歌声とピアノの音色、色鮮やかな衣裳、美しい舞台セットと照明効果によって、観ている人たちを一瞬にして物語の世界へ誘います。オペラ『森は生きている』は時代を経ても色褪せない、舞台作品の醍醐味にあふれています。

劇団文化座「母」


◆例会日程 <会場 
アリオス・中劇場>

2025年

9月11日(木)開演6:30
9月12日(金)開演1:00

上演時間1時間40分(休憩なし)

原作=三浦綾子  脚本=杉浦久幸  演出=鵜山仁
出演= 佐々木愛、藤原章寛、ほか

プロレタリア作家、小林多喜二の母セキの生涯を描いた三浦綾子の小説を舞台化

あらすじ
「ほれっ! 多喜二! もう一度立って見せねか! みんなのために、もう一度立って見せねか!」1933年2月20日。小説家小林多喜二が特高警察によって虐殺された。拷問跡の残る遺体に、多喜二の母セキは寄り添い、ずっと頬を撫で擦っていた。
貧しさの中、学校へも通えず、13歳で結婚。秋田から小樽へ移住し、懸命に働き六人の子を育てたセキ。そんな母の姿を見ながら、小林多喜二は小説を書いた。貧しく虐げられた人たちのことを思い、書き続けた。
晩年、セキは息子多喜二を語る機会を得る。母さんを人力車に乗せて、この(小樽の)通りを走らせてやりたいと願った、多喜二青年の夢と愛の軌跡――。無学の母は、問われるままに語り始める……。

作品について
「蟹工船」などで知られるプロレタリア作家であり、特高警察による拷問により1933年に虐殺された小林多喜二。その母セキの生涯を描いた三浦綾子の小説を舞台化。原作小説の文体は温もりのある秋田弁も相俟って、貧困のなかセキの一途に息子を思う「無償の愛」が読む者の心を打ちます。

舞台では自ら深く傷つきながらも家族を、そして他人を思いやり、思想やイデオロギーを超えて息子に寄り添う母セキ(佐々木愛)の姿が描かれます。もともと小林家は愛情溢れる明るい家庭で、秋田弁を操り底抜けに明るいセキを演じることで、より深い悲しみが表出されるでしょう。人が人を思いやり共生していく、という小林多喜二が願った理想を、母の愛情という視点を通して作品を仕上げます。
そして何よりも、佐々木愛のあの笑顔と高笑いが、観る者に元気と生きる勇気を与えることでしょう。

劇団朋友「あん」


◆例会日程 <会場 
アリオス・中劇場>

2025年

2月27日(木)開演6:30
2月28日(金)開演1:00

上演時間2時間(休憩なし)

作=ドリアン助川  演出=大澤 遊
出演=戸井勝海(東宝芸能)、益海愛子、小島敏彦、西海真理、水野千夏、
敦澤穂奈美、長町美幸、村上和彌、鈴木千晶

~人はなんのために生まれてきたのだろう~

あらすじ
線路沿いから一本路地を抜けたところにある小さなどら焼き店。
千太郎が日がな一日鉄板に向かう店先に、バイトの求人をみてやってきたのは
70歳を過ぎた手の不自由な女性・吉井徳江だった。
徳江のつくる「あん」の旨さに舌をまく千太郎は彼女を雇い、
店は繁盛しはじめるのだが……。
偏見のなかに人生を閉じ込められた徳江、生きる気力を失いかけていた千太郎、
ふたりはそれぞれに新しい人生に向かって歩き始めるのだが・・・・・・。

作品について
私達はこの世を見るために、聞くために、生まれてきた。
ただそれだけを望んでいた。…だとすれば、何かになれなくても、
私達には生きる意味があるのよ。」
ミュージシャン・タレントとしても有名なドリアン助川が書いた小説「あん」は、
かつてハンセン病患者が社会から断絶され隔離されていた歴史的事実をもとに、
心ない噂や真実に基づかない偏見によって苦しめられながらも、
生きることの尊さを訴えた作品である。
今、日本のみならず世界ではコロナ禍もあり分断と格差が広がっている。
生きることの尊さを再確認する舞台として上演します。

劇団東演「獅子の見た夢」


◆例会日程 <会場 
アリオス・中劇場>

2025年

4月25日(金)開演6:30
4月26日(土)開演1:00

上演時間2時間20分(休憩15分)

原作=堀川惠子  脚本=シライケイタ  演出=松本祐子
出演=豊泉由樹緒(薄田研二・役) 能登剛(八田元夫・役) 南保大樹(丸山定夫・役)
星野真広(三好十郎・役) 古田美奈子(園井恵子・役) ほか

夢を貫いた新劇人たちの姿を、史実に基づいて描いた今に通じる生きたドラマ

あらすじ
1945年8月下旬、演出家・八田元夫は世田谷・赤堤の劇作家・三好十郎宅に広島からやっとの思いでたどり着いた。大事に抱えてきた風呂敷包みの中には、俳優・丸山定夫の遺骨の入った骨壺があった。あの惨劇からまだ三週間もたっていない。二人は稀代の名優を偲び、まずい酒を酌み交わす。と、突如男の声が割って入ってくると、時は前年(1944年)の秋にさかのぼる。丸山定夫は、二年前に創った劇団「苦楽座」に演出家として力を貸してくれと八田に頼み込んでいる。しかしやりたくても八田は当局により、演出家登録を抹消されているのだ。治安維持法違反で執行猶予中だ。どうする、演目は三好十郎の「獅子」・・・・、大政翼賛会・移動演劇連盟に加わらなくては芝居が上演できない状況だ。丸山は決断する、苦楽座あらため「さくら隊」としてでも、どうしても芝居を続けると・・・・。
果たして丸山、八田、三好の三人が時代と闘いながら見た夢とは・・・・。

作品について
ノンフィクション作家、堀川惠子さんの「戦禍に生きた演劇人たち」(講談社)が原作。自由を奪われ活動も制限された戦争一色の時代にあっても、それでも芝居を続けたいと、検束や尾行、挙句は解散などの困難を超えて、夢を貫いた新劇人たちの姿を、史実に基づいて描いた今に通じる生きたドラマです。生きること、友を想うこと、夢を持つこと、そして闘うこと・・・・ぜひ例会にしていただきたい舞台です。『人間一生一大事の時は、自分がホントに正直に、したいと思うことを思い切ってやらんならんぞ!それが人間の道じゃあぞ!』と、あの時代に三好十郎の戯曲は舞台から訴えたのです。その舞台をやり続けた「苦楽座」改め「桜隊」の俳優たちは、やがて広島で8月6日を迎えるのです。彼らは自分たちの意志で芝居をやり切ったのです。そして、今を生きる私たちにどんな夢を託していったのだろうか。2025年は戦後80周年の節目です。彼らが残していった決して諦めなかった夢、今私たちはどんな夢を見、何をしなければならないのだろうか。

文学座「昭和虞美人草」


◆例会日程 <会場 
アリオス・中劇場>

2025年

7月24日(木)開演6:30
7月25日(金)開演1:00

上演時間2時間45分(休憩15分)

作=マキノノゾミ  演出=西川信廣
出演= 松浦慎太郎 上川路啓志 高柳詢子 細貝光司 植田真介 鹿野真央 加納朋之
赤司まり子 松本祐華 森寧々

夏目漱石の「虞美人草」をマキノノゾミが翻案し、熱く描いた青春群像劇!

昭和の敗戦から、やがて高度経済成長の絶頂と終焉に向かう時代のうねりの中で錯綜する若者たち。
ビートルズ、ストーンズといった70年代ロックが刻むビートに乗って、彼らは大人への階段を駆け上がる!

あらすじ
時は1973年。
The Beatles、The Rolling Stones、Led Zeppelinといった70年代ロックにどっぷりと浸かり、大人への階段を上っている途中の若者たちが織り成す悲喜こもごも。代議士の息子である甲野欽吾は売れないマニアックなロック雑誌「エピタフ」を刊行している。盟友である宗近、小野、浅井らが編集に携わるという、いわゆる同人誌的な雑誌であった。
ある日小野と浅井が「エピタフ」を辞めると言い出す。それと同時に甲野の腹違いの妹である藤尾は司法試験のために勉強中である小野に急接近。しかし小野には郷里に小夜子という許嫁に近い女性がいるのだった。煮え切らない態度の小野に宗近が諭す。
「そいつはロックじゃないぜ…」

作品について
『殿様と私』 『再びこの地を踏まず -異説・野口英世物語-』 これら極上のエンターテイメントを送りだしてきたマキノノゾミ×西川信廣コンビが三度、タッグを組みます!
明治維新というドラスチックな変化を経験した後の日本人像を描いた夏目漱石の「虞美人草」を翻案、設定を1970年代半ばの日本に置換え、錯綜する若者たちの姿の中に「普遍的な、何かとても大切なこと」を描き出します。

イッツフォーリーズ  ミュージカル おれたちは天使じゃない


◆例会日程 <会場 
アリオス・中劇場>

2024年
11月8日(金)開演1:30/開演6:30(1日2回公演
※上演時間2時間20分(休憩15分)

脚本=矢代静一  脚本・作詞=藤田敏雄
音楽=いずみたく/吉田さとる  演出=金澤菜乃英(青年座)

キャスト=横堀悦夫(青年座)吉田 雄 半澤 昇 米山 実(文化座)
大川 永 刀根友香 金子由之(昴) 松田 周(青年座) 町屋圭祐(昴) ほか

演奏=Key 吉田さとる/飯田緑子 Pf 太田裕子/田中和音
Bass えがわとぶを/ほか Drums 中沢剛/ほか

いずみたくミュージカルの代表作を新演出で再演 

大晦日の夜に天使が呼んだ奇跡

◆あらすじ
日本のある山荘。年末、雪が降り続く中、父娘が心中を図ろうとしていた。そこへ近くの刑務所から逃げてきた脱獄囚3人、ねじ釘の哲、泉の三太、キャンパスの助六が出くわす。突然の出来事に父娘の命を助けることに。父親は画商であったが、偽の絵画を買わされたため大きな借金を抱えていた。彼らはその父娘を人質に高飛びを計画するが、命拾いをした知恵遅れの少女光子は、彼らを天使だと思い混んで、悪者とは全く疑わない。そこに何も知らずに買い物から戻った姉娘エミ、エミに好意を抱く地元の巡査、更に明を騙した父親の従兄弟の黒川虎男親子も山荘にやってきた。一家に緊張感が走る。果たして、誰が救われるのか……。

◆作品について
フランスのアルベールユッソンの原作を元に、アメリカで映画化された「We are not angels」(1955)が原案。いずみたく・矢代静一・藤田敏雄が、1974年日本に置き換えて舞台化、日本オリジナルミュージカルとし1500回以上35年に渡り上演され続けてきたミュージカル。テーマ曲「翼のない天使」「今・今・今」はミュージカルを離れたスタンダードとしても愛されている曲であり、知恵遅れの少女と、その少女に心を洗われる脱獄囚たちのドラマが、普遍的な評判を得ている。
2021年、演出家を青年座のホープ金澤菜乃英に依頼、ねじ釘の哲役に、横堀悦夫(青年座)と、泉の三太役に、イッツフォーリーズの吉田雄(福沢良一の息子)、ヒロインエミ役に同じく劇団の大川永を配役し、47年ぶりに新演出として起ち上げた。

人形劇団プーク「オッペルと象」

◆例会日程<会場 アリオス中劇場>

2024年
4月17日(水) 開演6:30
4月18日(木) 開演1:00
※上演時間1時間50分(休憩15分)

原作=宮澤賢治 脚色・演出=井上幸子
音楽/マリオネット(湯淺 隆・吉田剛士)

出演者=大橋友子、滝本妃呂美、柴崎喜彦、栗原弘昌、野田史図希 ほか

白象の望む、大人になること、自立することとは?
自由であることとは? そして本当の仲間とは?

◆あらすじ
南の国のある村。農場では傲慢な地主オッペルに虐げられて働く百姓たちがいた。そこに新しい世界を求めて群れを離れた白象がやってくる。初めは働くことを楽しんでいたが、百姓の仲間には入れてもらえず、食事のわらも日に日に少なくなっていく。体力も気力も衰えた白象は・・・。「働くこと」「本当の自由」を現代の私たちに問いかける宮沢賢治の作品。

◆作品について
宮沢賢治の作品は、プークの舞台作りの大きな位置を占めています。
今回提出する「オッペルと象」は2019年、創立90周年記念公演として37年ぶりに一新。演劇界に与えた影響は大きいとの評価を得ました。また2021年に行われた四国ブロックの例会でも多くの反響をいただきました。
スピードアップした便利さの追求が「進歩」とされる現代に、大量の食糧や衣料が廃棄される現代に、多くの人が違和感を覚えていることと思います。そのような中、宮沢賢治の問い掛けにもう一度向き合い、賢治自身が抱いていた葛藤を受け止め、新たな時代を創造するエネルギーへ変えていこうと模索しました。
白象の望む、大人になること、自立することとは? 自由であることとは? そして本当の仲間とは? 白象と共に悩み考え、一歩ずつ光のさす方向に進んでいきたいと願っています。
90年余の活動を通して培われた人形劇の表現は、演劇の世界を広げてきたと自負しています。生きることの喜びや哀しみ、そして人間にとって何よりも大切な「笑い」を、これからも失うことのないよう、プークの総力を挙げて人形たちとお届けします。

劇団民藝公演「泰山木の木の下で」


◆例会日程 
<会場 アリオス中劇場>

2024年
7月4日(木)開演6:30
7月5日(金)開演1:00
※上演時間2時間30分分予定(休憩15分)

作=小山祐士
演出=丹野郁弓

出演者=日色ともゑ、千葉茂則、桜井明美、塩田泰久 ほか

私たちの明日は―――
瀬戸内の劇詩人小山祐士が
ヒロシマの祈りを
美しい詩情と哀歓で描く

◆あらすじ
小さな汽船が行き来する瀬戸内海の小さな島。白い大きな花をつける泰山木。その下で質素に暮らすハナ婆さんは、貧しいながらも9人の子供を産み、戦争中に優良多子家庭として大臣に表彰されながら、3人の子は戦死、残る6人の子まで広島の原爆で亡くしてしまいました。早春のある日、一人の男がその家を訪れます。堕胎の罪でハナ婆さんを逮捕しにやってきた木下刑事です。「魂の御楯として天子様に、お国に、お捧げせにゃぁいけん」と次々と子供を育てたハナでしたが、思えば殺されるために産んだようなものだ―。悲しい体験を持つハナは戦後、人助けのつもりで、頼まれると密かに子供をおろしてやっていたのでした。御幸署へ連行する船中でハナ婆さんの話を聞く木下刑事ですが、自身も原爆症のために不具の子供を持つ身の上でした…。

◆作品について

北林谷栄のハナ婆さん役、宇野重吉演出により1963年初演から2003年まで40年(448ステージ)にわたって全国の皆さんに愛された名作ですが、昨年16年ぶりにハナ婆さん役に日色ともゑ、丹野郁弓の新演出で出演者たちも新たに上演しました。本作の主人公は、出征と原爆で9人の子を亡くした哀しみを背負いながらも健気で周囲に愛され、ときに笑いを誘うハナ婆さんだけでなく、原爆の影響や瀬戸内海の環境破壊などから思うように未来を描けずにいる若者たちの物語でもあります。主題曲「わたしたちの明日は」の哀愁漂うメロディ、劇作家・小山祐士さん特有の素朴で美しい瀬戸内のことばを活かしたセリフ、心の温もりと情緒に満ちた庶民たちのやりとり。現代にも通じる行き場のない憤りを作品に込めながらも、執筆にあたって「決して叫んではならない」と自らに課した広島出身の作家の滲み出る思いが、昭和30年代の瀬戸内を舞台に懸命に生きる生活者たちの群像劇として凝縮された作品です。
しばしば20世紀の名戯曲に挙げられる民藝の代表的な演目を私たちの世代でふたたび上演し、名もなき人々の哀しみ、怒り、そして希望を、これからも語り継いでいきたいと願っています。

ページの先頭へ戻る