素晴らしい演劇との出会いがあなたの人生を豊かに

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劇団青年座『ブンナよ、木からおりてこい』 


◆例会日程

アリオス中劇場

5月26日(木)午後 6:30開演
5月27日(金)午前11:00開演
   〃  (〃)午後
4:00開演

※上演時間2時間15分(休憩15分)

作=水上勉  補綴=小松幹生   演出=磯村純

出演=逢笠恵祐、佐藤祐四、名取幸政 桜木伸介、佐藤美幸 ほか


【作品について】

1978年、青年座劇場で産声をあげたこの舞台は、以来30年もの間、篠崎光正(1978~81年)、
宮田慶子(1985~88年)、鈴木完一郎(1992~00年)、黒岩亮(2006~07年)の演出によって、
その時代と真正面に向きあい、 同時代を生きる観客とあいまみえ、2007年の中国公演(南通、
北京)を終えて1140ステージを数えてきました。
これ程、息の長い上演が続くとは、いったい誰が考えたでしょうか。
一つの作品を4名の演出家が創る、このような創造のあり方も他に例をみないものであります。
こうした劇団のこだわりは、その時代に合った舞台を生み出してきました。
昨年の東日本大震災から1年。今まさに「生きることの意味」を問い、「生きることの素晴らしさ」を
ストレートに伝える『ブンナよ、木からおりてこい』を上演する意義は大きいと考えています。
8月の上演に向けて、歌、ダンス、肉体表現に磨きをかけ「生命賛歌」を歌い上げます。


【あらすじ】
1978年の初演から1123回、水上戯曲不朽の名作が青年座の舞台に帰ってきます。
トノサマ蛙の子ブンナは、ある日、新しい世界を目指して椎の木のてっぺんに登ります。
しかし、天国だと思っていたそこは、こわい鳶(とんび)のえさ蔵だったのです。
弱肉強食の自然界で壮絶な「生きるための戦い」を繰り広げる傷ついた雀、百舌、鼠、蛇たち小動物たち。
彼等は「死」を前に壮絶な戦いを繰り広げる。
天国から地獄に突き落とされたブンナ。土の中で怯え、慄きつつ、なを生きることを考える。
季節は秋から冬へ、そして長い長い冬眠――。
春がやってきた。
眠りから覚めたブンナは鼠から生まれ出てきた虫たちを食べ、仲間が住むお寺の庭へと降りて行くのでした。

前進座「夢千代日記」

◆例会日程

アリオス大ホール

2016年
3月30日(水)開演6:30
3月31日(木)開演1:00
※上演時間2時間50分(休憩15分)
原作=早坂 暁  台本=志村智雄
演出=志村智雄・橋本英治
出演=今村文美  いまむらいづみ  津田惠一
武井茂  渡会元之 ほか





〝宿命に目を逸らさず たたかう夢千代〟

「夢千代日記」NHKドラマ人間模様として1981年と翌年、さらに「新・夢千代日記」として1984年に
放映 されました。吉永小百合さんが、胎内被爆者として、しかも人生の吹き溜まりのような温泉町の
芸者で登場 したことが、視聴者を魅了しました。

前進座による舞台版は、2010年秋に東京で初演。テレビシリーズから舞台にふさわしいエピソードを
組み上げて新たに劇化しました。 胎内被爆という思いテーマを内在させながらも人々の明るく強く
生きる姿を 映し出しています。
三味線、 踊り、唄そして、旅回り一座など、前進座女優陣ならではの芸も存分にお楽しみください。

◆あらずじ

山陰の山あい、余部鉄橋を越えたあたりの、忘れられたような町・湯の里温泉。
《はる家》はその町の小さな置屋である。そこには、芸者の菊奴や金魚、賄いのスミといった、
哀しい過去や心に傷を負った女たちが肩を寄せ合うように暮らしていた。
亡き母の跡を継いだ《はる家》の女将・夢千代は、いつも自分のことより周りのことを気遣いながら
生きてきたのだが、その身体は病に蝕まれていた。
その《はる家》に見知らぬ男が迷い込んで来た。
彼は、まったく記憶を失っていたのである。
そして何時しか、過去を捨て夢千代のいるこの町で暮らすことを望むようになる。
そんな折り、神戸から、山陰に進出しようとするヤクザの沼田らが入って来る。
ところが、沼田はあの広島のピカの日に、夢千代の母に助けられていた……。
もう少し広島での母のことを知りたい。
そして自分の過去から逃げてはいけないと夢千代は思うのであった。
一方、見知らぬ男の過去とは──。

“貝殻節”は鳥取県の民謡

『夢千代日記』の中で夢千代たち芸者衆が、お座敷で唄い踊っている民謡を“貝殻節”といいます。
これは鳥取県浜村地区(現鳥取市気高町)に古くから伝わる唄だそうです。
ところで、“夢千代の里”として知られる湯村温泉は兵庫県美方郡なぜ隣の県の民謡が…?
元々ドラマのモデル地として鳥取の温泉考えていた作者の早坂曉さん、
ロケハンで山陰本線を旅した折、鳥取に行き着く前に「夢千代」の舞台としてピッタリの
湯村温泉に巡り会ったのだとか…。 すでに台本がほぼ出来上がってからのロケハンだったため
劇中歌は鳥取県の民謡となったそうです。

劇団民藝『真夜中の太陽』

◆例会日程

アリオス中劇場

1月18日(水)開演6:30
11月19日(木)開演1:00
11月 〃 (〃)開演6:30
※上演時間1時間25分(休憩なし)

原案・音楽=谷山浩子
作=工藤千夏  演出=武田弘一郎
出演=日色ともゑ   石巻美香  神 敏将       
     藤巻るも   平松敬綱   ほか



夢と希望、楽しかったこと、つらかったこと、やり残したこと……
生死と時空とを超えて生きるよろこびを語りあう少女たち――
『真夜中の太陽』は、いまを精いっぱい生きる人たちへの応援歌です。

【作品について】
『真夜中の太陽』は、シンガーソングライター谷山浩子の同曲をモチーフに、新鋭劇作家の工藤千夏(渡辺源四郎商店)が自由に創作した感動のドラマです。2009年に作者自身の演出によって初演され、戦争の悲しさを静かに訴えましたが、2013年2月に民藝版『真夜中の太陽』として新たに舞台化しました。 ただ一人生き残ったおばあちゃんと空襲で亡くなった女学生が、生死と時空とを超えて、たがいの夢と希望、楽しかったこと、つらかったこと、やり残したこと、そして生きる喜びを語りあいます。「ありがとう。私たちの分まで生きてくれて」――女学生たちがおばあちゃんに贈る合唱曲「真夜中の太陽」は、人々のこころに力強く響きわたります。


【あらすじ】
太平洋戦争末期、ミッション系の女学生たちが音楽室で「真夜中の太陽」を合唱中に空襲に遭います。女学生たちは防空壕に避難しようとするのですが、「防空壕に入っちゃダメ!」と叫ぶ女学生がいました。その女学生はよく見るとおばあちゃんでした。おばあちゃんは楽譜をとりに戻ったため生き残った女学生で、70年近いときをへて空襲で亡くなった友だちを助けようと、ふたたびあの日に帰ってきたのでした。しかし、どうしても過去を変えることができません。おばあちゃんは友だちに「みんな、私のこと怒ってる? 私だけ生き残ってゴメン」と涙するのでした……。


【ちっぽけな泥の中から】

谷山浩子(原案)

  「真夜中の太陽」という歌を作ったのは、今から33年前。わたしが23歳の時でした。 その頃のわたしは「生きるのがつらい」と思いながら日々を送っていました。傍目には仕事も順調で、環境にも恵まれて、幸せそうに見えていたと思います。でも人の幸不幸を決めるのは、環境ではなくて心なんですよね。 不安定な自分の心に振り回されて、他の人のことなんて考える余裕もありませんでした。
  そんな、ダメの極みみたいな状態の中で生まれた歌が「真夜中の太陽」です。 歌は、本当に不思議です。 自分自身がダメでも、そのダメな自分の奥から、まるで泥の中から真っ白な睡蓮が咲き出すように、きれいな歌が生まれてきます。たぶん人間の創作物というのは(誰の中を通って出てこようと)もともとは宇宙に存在している何か大きなものの表出なのでしょう。どんなふうに形にするかが人によって違い、それが各々の個性になるというわけです。
  工藤千夏さんが、戯曲のテーマのためにわたしの歌を何百曲も聴いて、その中から『真夜中の太陽』を選んでくれました。できあがった舞台は、歌を作った時のわたしの個人的なあれこれなど吹き飛んでしまうような本当に素晴らしいもので、客席で見ていて泣けて仕方ありませんでした。23歳のわたしのちっぽけな泥の中から生まれた火が、時を経て、こんなに美しい作品の一部となって輝いている。私を通って、工藤さんを通って、舞台の上に咲いているのは、人の日常や作為を遥かに超える、宇宙の花だ。そう思いました。
 (公演パンフレットより)

幹の会+リリック「王女メディア」

◆例会日程

アリオス中劇場

2016年
1月21日(木)開演6:30
1月22日(金)開演1:00
※上演時間2時間(休憩なし)

作=エウリピデス

演出=高瀬久男  田尾下哲

出演=平幹二朗   山口馬木也  間宮啓行
     神原弘之  三浦浩一  廣田高志
      斉藤祐一  内藤裕志   若松武史


「長く記憶に残る演技」と高い評価を受けた初演。あれから37年。
いま平幹二朗が最後のメディアに挑む。
『王女メディア』はギリシア悲劇の三大作家の一人、エウリーピデースの代表作です。

❖平幹二朗は1978年に男優として王女メディア役に挑み、「長く記憶に残る演技」と高い評価を受けました。 そして1983年にはアテネの舞台に立ち、ギリシアでギリシア以外の国の人間がギリシア悲劇を演じて初めて絶賛を浴びるという快挙を成し遂げたのです。2012年、高瀬久男の演出により平幹二朗の「王女メディア」が新しく甦り、日本各地で蜷川幸雄演出にも増す大絶賛を戴きました。各地の熱いリクエストにお応えして、今再び最後のメディアに挑むこととなりました。

❖この度のメディアと渡り合う夫イアーソンは、実力派俳優として躍進を続ける山口馬木也が演じます。そして、演劇実験室天井桟敷の中心的俳優として活躍した若松武史、「冬のライオン」で葛藤する役どころを繊細に演じた記憶の新しい三浦浩一、シェイクスピア劇など存在感のある演技が光る間宮啓行、実力派俳優としての頭角を現す廣田高志ら、充実した共演陣が舞台を彩ります。
すべての固有名詞を普通名詞に置きかえた高橋睦郎の修辞により、古代ギリシアの神話的事件がいつの時代、どこの場所でも起こり得る普遍的ドラマとして展開してゆきます。男性の地声で演じられるメディアは強烈で、猛々しく、人間の悲しみや怒り、様々な感情を大きなスケールで浮き彫りにしてゆきます。

❖37年前の初演以来、平幹二朗が今も「身体の中に棲みついている」と語る王女メディア。渾身の想いを込めて、今再び最後のメディアに挑みます。

◆ストーリー

コリントスのある屋敷から女の嘆く声が聞こえてくる……。
かつて-黒海沿岸の国コルキスの王女メディアはギリシアのイオルコスからやって来たイアーソンと恋に
落ちた。イアーソンが金羊毛を手に入れるため、力を貸したメディアは父を棄て、共にイオルコスへと向かった
のだった。そしてイアーソンから王位を奪った領主を殺害し、コリントスへと逃れてきたのである。
けれどもいま-イアーソンは保身のため、コリントスの国王クレオンの娘を妻に迎えることを決めてしまった。
クレオンはメディアとその二人の息子に国を出て行くよう命令を下す。不実をなじるメディアに、イアーソンは
子供たちの将来のためを思って新しい縁組みを承知したと言い募るのだった。
『さあ、まっすぐに怖ろしいことへつき進もう…
女と生まれた実ではないか。よいことにかけてはまったくの力なし、
けれども、悪いことにかけてなら、何をやらせてもこの上ない上手と言われる、
女と生まれたこの身ではないか』
自らの運命を嘆き、呪い、そしてメディアは、復讐を決意する。
『この私をかよわい女、意気地のない女だと、誰に思わせておくものか――』

人形劇団プーク公演  怪談『牡丹燈籠』

◆例会日程

9月17日(木) ①午後6:30開演
9月18日(金) ②
午前10:45開演/ ③午後3:00開演
           ※1日2回公演
アリオス・中劇場/上演時間2時間5分(予定)

原作=三遊亭円朝  脚色=川尻泰司  潤色・演出=井上幸子

出演=佐藤達雄、安尾芳明、栗原弘昌、大橋友子、山越美和  ほか


人形でしか表現できないものがある・・・
美しく 哀しく こっけいで 愚かで なおかつ いとおしい人間の営みは くり返し くり返し今に至っています
日本の怪談噺『牡丹燈籠』を 愉快に 風流に 怪しく 人形劇の世界で挑みます

カランコロン、と、響き渡る駒下駄の音 ふわりふわり、と、牡丹灯籠の灯りが揺れて 愛しい想い人新三郎の元に、美しきお露の幽霊が今夜もまた現れる… 『怪談牡丹灯籠』は、江戸末期~明治にかけて活躍した 落語家、名人三遊亭円朝の創作落語。 元々、中国の話をヒントにしたそうで そのせいなのかどうかは知りませんが この幽霊には、なぜか”足”、がある。 日本の幽霊に、カランコロンと足音をつけたのは この円朝師匠が初めてだそうな。

【あらすじ】
武芸者、飯島平左衛門の娘、お露は浪人者の萩原新三郎に恋したあげく、焦れ死にをしてしまう。お露は、後を追って死んだ女中のお米とともに、夜な夜な牡丹灯籠を手に新三郎のもとに通うようになった。  一方、新三郎の孫店に住む伴蔵、おみね夫婦は、大金と引き替えにお露、お米の幽霊の手助けをすることで、新三郎が貼ったお札をはがし、新三郎を死に追いやってしまう。大金を手にした伴蔵、おみね夫婦は、その暮らしぶりの変化とともに、人生の歯車がくるっていくこととなる。


【作品について】
落語中興の祖として有名な三遊亭円朝(1839-1900)が口演し、100年以上たった現在でも、落語はもとより芝居としても多くの舞台で演じられている作品です。  プークは、1976年林家正蔵師匠の語りとともに初演し、1980年には「文化庁芸術祭の部門別大賞」を受賞しました。  今回の舞台は、2009年、劇団創立80周年を記念し、すべてを人形で演じる新たな舞台としてとりくみました。  舞台美術の第一人者、朝倉摂氏の装置をはじめ、ポルトガルギターとマンドリンのデュオ“マリオネット”の音楽など、総合芸術としての人形劇に挑戦しています。 ―愉快に、風流に、妖しく人形劇でしか表現できないもの―を、めざしています。

<今までにないものを創りたい~装置 朝倉摂さんに聞く~

人形は人間の芝居より繊細。そういうことでは、「牡丹燈籠」は、非常におもしろい素材で興味がありました。 私、30年くらい前まで谷中のあたりに住んでいました。戦後変わらない、下町でなければみられない土地。あのあたりで育ったことでその風景と匂いは大変貴重です。リアリズムの中にも飛躍のできる人形劇。装置プラン楽しみなんですよ。よい舞台を創りましょう。          2009年初演時 公演ちらしより

<人形劇の楽しさは子どもだけのものではない >

日本では人形劇と言えば子ども向けという印象が強くありますが、世界の人形劇の歴史をたどると人形劇は他の演劇同様に一般市民に向けた演劇や娯楽でした。  人形劇は、人間の生身の身体では表現しきれない様々なことを人形に託すことができます。  例えば、人形は人の心を形にすることができます。したがって人形劇は、人間の心像イメージをより演劇的に表現できるのです。  それは、子どもだけでなく大人も十分に楽しめるものですので、人形劇イコール子ども向けという日本の常識を変えていきたいという願いから、このような公演活動を続けています。










俳優座劇場プロデュース 音楽劇 『わが町』


◆会場:アリオス大ホール

作=ソーントン・ワイルダー  演出=西川信廣  音楽=上田亨  作詞=宮原芽映

出演=土居裕子、原 康義、粟野史浩、瀬戸口 郁、麻乃佳世、川井康弘、花山佳子、岡のりこ、
金子由之、茜部真弓、藤側宏大、保 可南、金 成均   ピアノ演奏=佐藤拓馬


1938年に初演されピュリッツァー賞を受賞したソーントン・ワイルダーの「わが町」。70年以上愛されてきた名作を演出 西川信廣と音楽 上田亨があたためていた構想で、ありふれた日常に散りばめられたかけがいの無いものを問いかけます。土居裕子をはじめ、魅力ある俳優陣がお届けする小さな町グローヴァーズ・コーナーズの日々を美しいピアノの調べとともにお贈りします

平凡だがかけがえのない日々・・・ささやかな人生の大切さが余韻深く、心にしみる音楽劇

<ストーリー> アメリカ・ニューハンプシャー州の小さな町グローヴァーズ・コーナーズ。 ギブズ医師の息子ジョージと、隣に住む地方新聞の編集長ウェブ氏の娘エミリーは 幼馴染み。穏やかで誠実な両親や町の人々に見守られ成長した二人は互いに恋をし、 やがて結婚の日をむかえる。結婚式は町のみんなに祝福され新生活は幸せに満ちて いた。だが9年の歳月が過ぎたとき、二人に思いもよらない出来事が訪れる……。

■初演の感想より 土居裕子さんの愛らしさ、透き通る声が心に響き、涙がポロポロ出てきました。 音楽も大好きな私にとってはピアノの美しさ、一曲一曲の洗練されていること、皆さんの歌唱力が素晴らしく心にしみてきました。自分にとって特別の……そして多分ずっと忘れることのない舞台になると思います。

加藤健一事務所 『バカのカベ~フランス風~』

◆例会日程

5月27日(水)開演6:30
5月28日(木)開演1:00



◆アリオス・大ホール

上演時間2時間05分(予定)

作=フランシス・ヴェベール
訳=鵜山 仁   演出=鵜山 仁

出演=風間杜夫  加藤健一   新井康弘   清水明彦  西川浩幸  日下由美  加藤忍



風間杜夫と加藤健一!? 30年振りの2人の共演が話題となった、フランス産ハチャメチャ傑作コメディ!!

翻訳・演出は、今演劇界で絶大な人気と実績を誇る鵜山仁! 個性豊かな共演者達に、声の出演で平田満も加わった、大・大・大爆笑コメディです!!

<ストーリー>


パリのお洒落なマンションに暮らすピエール(風間杜夫)には、一風変わった習慣があった。週に一度、これぞ!!と思う「バカ」をパーティーに呼び、友人たちと笑い者にして楽しむという、かなり悪~い趣味だ。 今夜のパーティーのゲストは、フランソワ(加藤健一)という、超ド級の税務署勤めの変り者。しかし、パーティーを前にして、ピエールが突然ギックリ腰になってしまい、家から出られない事態に・・・。 そこへやって来たフランソワは、ピエールの窮地を助けようと試みるが、やることとなすこと、すべてが裏目に出てしまい ―――


<初演劇評より>

息の合った加藤と風間のやりとりはそれだけで楽しい。

空気を読まないマニアぶりを発揮していたフランソワがいつの間にかしっかりとした人間に見えてくる。一方傲慢だったピエールが弱さを知り、人の温かみを感じるようになっていく。 ここでの「バカ」とは、得意の分野では非常に詳しく熱意を示すが世間知らずという、いわゆる専門バカと呼ばれる人たちであったり、どのような状況であっても信念を貫く人でもあるだろう。目先に敏感な「成功者」と、一貫して愚直に取り組む「バカ」のどちらか。それは私たち自身が問われていることでもある。 ( 雑誌テアトロより )

シーエイティプロデュース『さくら色オカンの嫁入り』



◆例会日程

1月29日(木)開演6:30
1月30日(金)開演1:00

-上演時間2時間15分(予定)-

◆会場:アリオス大ホール

原作=咲乃月音  脚本=赤澤ムック  演出=西川信廣

出演=佐藤アツヒロ 熊谷真実、荘田由紀、正司花江 ほか


映画やテレビで話題の作品が魅力たっぷりの芝居になりました。

―――ある日、酔っぱらったオカンが若い男を拾ってきた。
「今夜はね、おみやげあんねん。」
「分かった分かった、明日いただきます。」
「あかん、ナマモノやから、あかん」 ……どちらさん
「オカンな、この人と、結婚しよ思うてんねん」
―――え?
下町の大阪を舞台に、忘れかけた人情を、笑いと涙でお届けします。さくら色の春に!


<ストーリー>
テカテカの、いかにも安ものの真っ赤なシャツに今どきリーゼント頭の捨て男(研二)を
連れてきたオカン。 強烈なその男の登場は、オカンと娘・月子、オカンの過去を知る
隣人・サク婆、愛犬・ハチ へと波紋を広げ、 3人と1匹の穏やかな日常を静かに変えて
いく。 そして板前だった祖父・服部の血を引く研二の作る温かい料理。
それはオカンと娘・月子をとりまく人々の心を徐々に溶かしていき、さくら咲く春に本当の
笑顔を届けることに!

トムプロジェクト公演  『満月の人よ』


◆例会日程

3月19日(木)開演6:30
3月20日(金)開演1:00


◆会場

アリオス・中劇場
上演時間1 時間40分(休憩なし)


作/演出/東 憲司
出演/村井國夫   山崎銀之丞    藤澤志帆  岡本 麗

<あらすじ>

天狗伝説がある村に一人で暮らすとりもち職人の梁瀬達吉(村井國夫)のもとに、27年前に駆け落ちして出て行った妻・早苗(岡本麗)が帰ってくる。それを知って駆けつけてくる息子・進介。バラバラだった家族が久しぶりに一つ屋根の下に集まった。さらにそこに、訳ありの女・満が[天狗に会いたい]とやってくる。久しぶりの再会の家族と、訳ありの女の四人の奇妙な共同生活が始まる。賑やかに活気づき始める彼らの元に天狗が現れたという噂が村に流れ、天狗を見たいという彼女の心の傷に気付いた家族三人は、天狗探しに付き合うのだが…。家族の絆と民話が重なり合う心暖まる寓話劇。満月の人と云うのは天狗の意味。

<作品について>

作・演出の東憲司さんが第20回読売演劇大賞、優秀演出家賞受賞を受賞した作品。それぞれ欠けたところを持った登場人物が集まり他人の心の傷、欠落を埋めようと力を合わせる。自分に欠落があるからこそ他人の痛みを理解できる。 素直にそう思わせてくれる舞台です。土着の風習や土地の伝説を物語に取り込むながら、観終わった後、優しい気持ちになれる。天狗伝説をとり入れた寓話劇に仕立てました。夫婦、家族の絆、人と人との絆を描いた温かいヒューマンドラマです。 ラストシーンは、27年間の深い寂しさとともに、愛しい人と一緒にいることがどれほど大切かが切々と伝わってくる。-2012年12月号 テアトロより-

<東憲司 (ひがし けんじ)さんのプロフィール>
1964年・福岡県生まれ。「劇団桟敷童子」代表。劇作・演出・美術を手掛ける。 劇場以外に、テントや倉庫、廃墟、ビルの屋上等での公演も行う。 外部作品も積極的に手がけ、海外公演や新劇、商業演劇にも進出。 2006年度 「海猫街」で第61回文化庁芸術祭優秀賞(関東の部)受賞。 2010年度 第10回倉林誠一郎記念賞・団体賞受賞。 2011年度 バッカーズファンデーション演劇激励賞受賞。 2012年度 第47回紀伊國屋演劇賞・個人賞受賞。 2012年度 第20回読売演劇大賞・優秀演出家賞受賞。 2012年度 第16回鶴屋南北戯曲賞受賞。 2014年度 TVドラマ脚本『めんたいぴりり』が平成26年日本民間放送連盟賞 優秀賞。第30回ATP賞&第51回ギャラクシー賞 を受賞

劇団民藝公演  『海霧』

◆例会日程

 11月28日(金)開演6:30
 11月29日(土)開演1:00

◆会場

 アリオス・中劇場
 上演時間2時間35分(予定)

原作=原田康子   脚色=小池倫代  演出=丹野郁弓
出演=伊藤孝雄、樫山文枝、桜井明美、中地美佐子 ほか

◆作品について

広大な未開拓の地・北海道で人生を切り拓いていった男たちと、それを支え続け凛々しく生きた女性三代の物語『海霧』。原作は原田康子さんが自身の血族をモデルに綿密な調査を行って書き上げ、2003年に吉川英治文学賞を受賞した長編大河小説。同じく北海道在住の劇作家・小池倫代さんの脚本により、満を持しての舞台化です。たくましく生き抜いた一族の壮大なストーリーは、現代の私たちに圧倒的なエネルギーで迫ってきます。

<あらすじ>

新天地への夢を求めて佐賀から釧路へと渡り、店を開いた平出幸吉と妻さよ。やがて隆盛を極めた平出商店の悩みの種は、跡取りである男まさりの長女リツと婿の不仲でした。孫の千鶴が誕生したことでこれからは順風満帆と思えたのも束の間、平出家には次々と荒波が押し寄せます。過酷な風土の中で明治、大正、昭和を生き、一族を見守り続けたさよの胸には、いつもあの北の海の「深い霧」があったのでした……。 

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