◆例会日程(上演時間2h15)
*常磐市民会館
11月24日(水)開演6時30分
*アリオス中劇場
11月25日(木)開演6時30分
11月26日(金)開演1時/6時30分
11月27日(土)開演1時
作=ナジェーダ・プトゥーシキナ
出演=中村たつ、日下由美
石田圭祐、桂ゆめ
心温まる家族の物語です
今日本では、百歳以上の高齢者の所在不明や親による幼児虐待など、家族が崩壊してしまったような悲しいニュースが相次いでいます。
次回11月例会『家族の写真』は、そんな現実を払拭してくれるような心温まる家族の物語です。家族の絆が希薄になりつつある現代社会に生きる私たちに、家族や結婚、人生における幸せについて考えさせます。
<ものがたり>
アパートに病弱な老母と二人暮らしのターニャ。母親は自分が死ぬまでに娘が結婚し、幸せになってほしいと願っている。そんなある夜、恋人の家と間違えた中年男イーゴリがバラの花束を持ってやってくる。ターニャは思わずイーゴリに一五分だけ居てほしいと頼む。娘の恋人と勘違いした母親はイーゴリと意気投合。
小さな嘘から静かな生活は急展開する。
おかしくてせつない上質の喜劇です。
◎新聞劇評より
でまかせについたウソが相手の思い込みや行き違いを呼んで、思わぬ方向に発展していく。鵜山仁演出の「家族の写真」はロシアの現代劇作家ナジェージダ・プトゥーシキナのよく仕組まれた喜劇だ。
誰もが心中に抱えている不安や孤独がロウソクの光に淡く照らし出され、人間的な温かさに満ちた擬似家族の虚構に、だまされてもいいかという気持ちになる。
ドダバタでなく、笑いとペーソスがほどよく配分されている。他人同士が擬似的に家族を構成できる背景には、隣人愛を説くキリスト教的世界観を感じる。
回り舞台が演技空間にメリハリをつけて効果的だ。老母はディケンズが好きで、娘が読んで聞かせる。芝居の底に流れるヒューマニズムからロシア版「クリスマスキャロル」の印象も。翻訳は大森雅子。
(日本経済新聞〇五年六月一六日より抜粋)
◎俳優座劇場について
現代演劇創造の場として劇団俳優座が主唱し建設の中核となり、多くの文化関係者と観客の支援を得て一九五四年に完成、株式会社俳優座劇場として運営されている。一九八〇年に再建設、演劇を中心とした舞台芸術の創造の場となっている。劇場主催の演劇制作「俳優座劇場プロデュース」も行っている。
お分かりのように、この劇場を本拠地として活動している「劇団俳優座」と、別に(株)俳優座劇場があって、演劇制作のプロデュースを行っている。今回は(株)俳優座劇場のプロデュース公演です。
これまで四回いわきに来ておりますが地味でも実力のある俳優をそろえ、すばらしい舞台を創っています。ご期待ください。