◆例会日程
3月22日(土)開演6:30
3月23日(日)開演1:00
3月24日(月)開演1:00
アリオス・中劇場
上演時間2時間40分(予定)
作=堀江 安夫 演出=袋 正
出演=中村たつ 岩崎加根子 川口敦子 河原崎次郎 武正忠明 ほか
新劇を代表する中村たつ、岩崎加根子、川口敦子が競演する堀江安夫渾身の書き下ろしを、長崎に魅かれ続けてきた袋正が演出。河原崎次郎、武正忠明等が加わり豪華な出演者が織り成す俳優座ならではのアンサンブルにご期待ください。
<ストーリー>
「わたし達の毎日からは一度も八月九日が消えたことがなかとよ・・・」
その坂道は樫の木坂と呼ぶ。長崎港を望む坂の中腹に樹齢数百年を超える樫の老木があるからだ。
人々はその威風をたたえ、神木として保存してきた。だがその老木も一九四五年八月九日の原発投下で息絶えてしまったと思われたが、翌年の春、一枚の葉を芽吹かせた。今では道端からこの物語の舞台になる葦葉家の庭先までみごとな葉群を広げていた。
二〇〇〇年、長崎は夏を迎えようとしていた。被爆者である三姉妹の生活を撮り続けてきたカメラマンの洲崎はその日、部屋のピアノについて尋ねる。それは四女が双子の姉三女の供養のために購入したものだった。あれから五十五年、ピアノの調べは若かりし四姉妹が暮らしていた頃へ誘っていく。両親と兄、四姉妹の七人家族のあたたかく穏やかな日々がいつまでも続くように思われていたあの頃…。
戦争、兄の死、姉(妹)の死、被爆…。
戦争が終わっても残された三姉妹は常に「戦争」と向き合わされていた。