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劇団民藝『真夜中の太陽』

◆例会日程

アリオス中劇場

1月18日(水)開演6:30
11月19日(木)開演1:00
11月 〃 (〃)開演6:30
※上演時間1時間25分(休憩なし)

原案・音楽=谷山浩子
作=工藤千夏  演出=武田弘一郎
出演=日色ともゑ   石巻美香  神 敏将       
     藤巻るも   平松敬綱   ほか



夢と希望、楽しかったこと、つらかったこと、やり残したこと……
生死と時空とを超えて生きるよろこびを語りあう少女たち――
『真夜中の太陽』は、いまを精いっぱい生きる人たちへの応援歌です。

【作品について】
『真夜中の太陽』は、シンガーソングライター谷山浩子の同曲をモチーフに、新鋭劇作家の工藤千夏(渡辺源四郎商店)が自由に創作した感動のドラマです。2009年に作者自身の演出によって初演され、戦争の悲しさを静かに訴えましたが、2013年2月に民藝版『真夜中の太陽』として新たに舞台化しました。 ただ一人生き残ったおばあちゃんと空襲で亡くなった女学生が、生死と時空とを超えて、たがいの夢と希望、楽しかったこと、つらかったこと、やり残したこと、そして生きる喜びを語りあいます。「ありがとう。私たちの分まで生きてくれて」――女学生たちがおばあちゃんに贈る合唱曲「真夜中の太陽」は、人々のこころに力強く響きわたります。


【あらすじ】
太平洋戦争末期、ミッション系の女学生たちが音楽室で「真夜中の太陽」を合唱中に空襲に遭います。女学生たちは防空壕に避難しようとするのですが、「防空壕に入っちゃダメ!」と叫ぶ女学生がいました。その女学生はよく見るとおばあちゃんでした。おばあちゃんは楽譜をとりに戻ったため生き残った女学生で、70年近いときをへて空襲で亡くなった友だちを助けようと、ふたたびあの日に帰ってきたのでした。しかし、どうしても過去を変えることができません。おばあちゃんは友だちに「みんな、私のこと怒ってる? 私だけ生き残ってゴメン」と涙するのでした……。


【ちっぽけな泥の中から】

谷山浩子(原案)

  「真夜中の太陽」という歌を作ったのは、今から33年前。わたしが23歳の時でした。 その頃のわたしは「生きるのがつらい」と思いながら日々を送っていました。傍目には仕事も順調で、環境にも恵まれて、幸せそうに見えていたと思います。でも人の幸不幸を決めるのは、環境ではなくて心なんですよね。 不安定な自分の心に振り回されて、他の人のことなんて考える余裕もありませんでした。
  そんな、ダメの極みみたいな状態の中で生まれた歌が「真夜中の太陽」です。 歌は、本当に不思議です。 自分自身がダメでも、そのダメな自分の奥から、まるで泥の中から真っ白な睡蓮が咲き出すように、きれいな歌が生まれてきます。たぶん人間の創作物というのは(誰の中を通って出てこようと)もともとは宇宙に存在している何か大きなものの表出なのでしょう。どんなふうに形にするかが人によって違い、それが各々の個性になるというわけです。
  工藤千夏さんが、戯曲のテーマのためにわたしの歌を何百曲も聴いて、その中から『真夜中の太陽』を選んでくれました。できあがった舞台は、歌を作った時のわたしの個人的なあれこれなど吹き飛んでしまうような本当に素晴らしいもので、客席で見ていて泣けて仕方ありませんでした。23歳のわたしのちっぽけな泥の中から生まれた火が、時を経て、こんなに美しい作品の一部となって輝いている。私を通って、工藤さんを通って、舞台の上に咲いているのは、人の日常や作為を遥かに超える、宇宙の花だ。そう思いました。
 (公演パンフレットより)

幹の会+リリック「王女メディア」

◆例会日程

アリオス中劇場

2016年
1月21日(木)開演6:30
1月22日(金)開演1:00
※上演時間2時間(休憩なし)

作=エウリピデス

演出=高瀬久男  田尾下哲

出演=平幹二朗   山口馬木也  間宮啓行
     神原弘之  三浦浩一  廣田高志
      斉藤祐一  内藤裕志   若松武史


「長く記憶に残る演技」と高い評価を受けた初演。あれから37年。
いま平幹二朗が最後のメディアに挑む。
『王女メディア』はギリシア悲劇の三大作家の一人、エウリーピデースの代表作です。

❖平幹二朗は1978年に男優として王女メディア役に挑み、「長く記憶に残る演技」と高い評価を受けました。 そして1983年にはアテネの舞台に立ち、ギリシアでギリシア以外の国の人間がギリシア悲劇を演じて初めて絶賛を浴びるという快挙を成し遂げたのです。2012年、高瀬久男の演出により平幹二朗の「王女メディア」が新しく甦り、日本各地で蜷川幸雄演出にも増す大絶賛を戴きました。各地の熱いリクエストにお応えして、今再び最後のメディアに挑むこととなりました。

❖この度のメディアと渡り合う夫イアーソンは、実力派俳優として躍進を続ける山口馬木也が演じます。そして、演劇実験室天井桟敷の中心的俳優として活躍した若松武史、「冬のライオン」で葛藤する役どころを繊細に演じた記憶の新しい三浦浩一、シェイクスピア劇など存在感のある演技が光る間宮啓行、実力派俳優としての頭角を現す廣田高志ら、充実した共演陣が舞台を彩ります。
すべての固有名詞を普通名詞に置きかえた高橋睦郎の修辞により、古代ギリシアの神話的事件がいつの時代、どこの場所でも起こり得る普遍的ドラマとして展開してゆきます。男性の地声で演じられるメディアは強烈で、猛々しく、人間の悲しみや怒り、様々な感情を大きなスケールで浮き彫りにしてゆきます。

❖37年前の初演以来、平幹二朗が今も「身体の中に棲みついている」と語る王女メディア。渾身の想いを込めて、今再び最後のメディアに挑みます。

◆ストーリー

コリントスのある屋敷から女の嘆く声が聞こえてくる……。
かつて-黒海沿岸の国コルキスの王女メディアはギリシアのイオルコスからやって来たイアーソンと恋に
落ちた。イアーソンが金羊毛を手に入れるため、力を貸したメディアは父を棄て、共にイオルコスへと向かった
のだった。そしてイアーソンから王位を奪った領主を殺害し、コリントスへと逃れてきたのである。
けれどもいま-イアーソンは保身のため、コリントスの国王クレオンの娘を妻に迎えることを決めてしまった。
クレオンはメディアとその二人の息子に国を出て行くよう命令を下す。不実をなじるメディアに、イアーソンは
子供たちの将来のためを思って新しい縁組みを承知したと言い募るのだった。
『さあ、まっすぐに怖ろしいことへつき進もう…
女と生まれた実ではないか。よいことにかけてはまったくの力なし、
けれども、悪いことにかけてなら、何をやらせてもこの上ない上手と言われる、
女と生まれたこの身ではないか』
自らの運命を嘆き、呪い、そしてメディアは、復讐を決意する。
『この私をかよわい女、意気地のない女だと、誰に思わせておくものか――』

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