◆例会日程
3月23日(日)開演1:00
3月24日(月)開演1:00
アリオス・中劇場
上演時間2時間40分(予定)
新劇を代表する中村たつ、岩崎加根子、川口敦子が競演する堀江安夫渾身の書き下ろしを、長崎に魅かれ続けてきた袋正が演出。河原崎次郎、武正忠明等が加わり豪華な出演者が織り成す俳優座ならではのアンサンブルにご期待ください。
「わたし達の毎日からは一度も八月九日が消えたことがなかとよ・・・」
その坂道は樫の木坂と呼ぶ。長崎港を望む坂の中腹に樹齢数百年を超える樫の老木があるからだ。
人々はその威風をたたえ、神木として保存してきた。だがその老木も一九四五年八月九日の原発投下で息絶えてしまったと思われたが、翌年の春、一枚の葉を芽吹かせた。今では道端からこの物語の舞台になる葦葉家の庭先までみごとな葉群を広げていた。
二〇〇〇年、長崎は夏を迎えようとしていた。被爆者である三姉妹の生活を撮り続けてきたカメラマンの洲崎はその日、部屋のピアノについて尋ねる。それは四女が双子の姉三女の供養のために購入したものだった。あれから五十五年、ピアノの調べは若かりし四姉妹が暮らしていた頃へ誘っていく。両親と兄、四姉妹の七人家族のあたたかく穏やかな日々がいつまでも続くように思われていたあの頃…。
戦争、兄の死、姉(妹)の死、被爆…。
戦争が終わっても残された三姉妹は常に「戦争」と向き合わされていた。
エイコーン公演『アンナ・カレーニナ』
◆例会日程
5月30日(金)開演1:00
5 月31日(土)開演1:00
アリオス・中劇場
上演時間2時間40分
文豪トルストイが、その芸術、宗教、哲学のすべてを注ぎこんで
完成した不朽の名作の劇化。
人間にとって真の幸福とは、神とは、愛とは、・・・・・。
人生の根本的な問題を探求したこの作品を、かつて、ドストエフスキーは
『アンナ・カレーニナ』は、完全な芸術作品であると、讃えた。
兄の家庭不和の調停役無事果たし、夫カレーニン(清水鋐治)と愛児セリョージャの待つ
ペテルブルグへ帰って来たアンナ(栗原小巻)を、青年将校ウロンスキー(赤羽秀之)が追って
きた。 彼女はウロンスキーと逢瀬を重ね、二人の関係はしだいに深まっていく。だが、夫は
世間体をはばかり離婚を承認しない。やがてアンナはウロンスキーに懐妊を告げる。
アンナは産褥熱におかされ生死の境をさまよう。ウロンスキーは自分の罪深さに激しくうたれ
自殺をはかるが、一命はとりとめる。 アンナの病気は快方に向かったが、夫との生活に戻る
事は堪えられなかった。彼女はウロンスキーと手をたずさえイタリアへ駆け落ちする。
しかし、外国生活の無為とわが子への愛着にひかれて帰国したアンナは、社交界から敵視
され、激しい侮辱にうちのめされる。その上、宗教を楯にした画策で、愛児の誕生日にも面会が
許されず、使用人の好意で束の間の対面がやっとであった。
自己の内部のみに生きるアンナの生活。もはやウロンスキーは自分は理解されていない
ことを痛感し、アンナは居るべき場所を失っていた。 「もうすぐ列車が来るわ。私の愛する人、
あなたを自由にしてあげる。アレクセイ・ウロンスキー」
吹雪のなか、列車が近づいて来る…。