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人形劇団プーク「オッペルと象」

◆例会日程<会場 アリオス中劇場>

2024年
4月17日(水) 開演6:30
4月18日(木) 開演1:00
※上演時間1時間50分(休憩15分)

原作=宮澤賢治 脚色・演出=井上幸子
音楽/マリオネット(湯淺 隆・吉田剛士)

出演者=大橋友子、滝本妃呂美、柴崎喜彦、栗原弘昌、野田史図希 ほか

白象の望む、大人になること、自立することとは?
自由であることとは? そして本当の仲間とは?

◆あらすじ
南の国のある村。農場では傲慢な地主オッペルに虐げられて働く百姓たちがいた。そこに新しい世界を求めて群れを離れた白象がやってくる。初めは働くことを楽しんでいたが、百姓の仲間には入れてもらえず、食事のわらも日に日に少なくなっていく。体力も気力も衰えた白象は・・・。「働くこと」「本当の自由」を現代の私たちに問いかける宮沢賢治の作品。

◆作品について
宮沢賢治の作品は、プークの舞台作りの大きな位置を占めています。
今回提出する「オッペルと象」は2019年、創立90周年記念公演として37年ぶりに一新。演劇界に与えた影響は大きいとの評価を得ました。また2021年に行われた四国ブロックの例会でも多くの反響をいただきました。
スピードアップした便利さの追求が「進歩」とされる現代に、大量の食糧や衣料が廃棄される現代に、多くの人が違和感を覚えていることと思います。そのような中、宮沢賢治の問い掛けにもう一度向き合い、賢治自身が抱いていた葛藤を受け止め、新たな時代を創造するエネルギーへ変えていこうと模索しました。
白象の望む、大人になること、自立することとは? 自由であることとは? そして本当の仲間とは? 白象と共に悩み考え、一歩ずつ光のさす方向に進んでいきたいと願っています。
90年余の活動を通して培われた人形劇の表現は、演劇の世界を広げてきたと自負しています。生きることの喜びや哀しみ、そして人間にとって何よりも大切な「笑い」を、これからも失うことのないよう、プークの総力を挙げて人形たちとお届けします。

劇団民藝公演「泰山木の木の下で」


◆例会日程 
<会場 アリオス中劇場>

2024年
7月4日(木)開演6:30
7月5日(金)開演1:00
※上演時間2時間25分予定(休憩15分)

作=小山祐士
演出=丹野郁弓

出演者=日色ともゑ、千葉茂則、桜井明美、塩田泰久 ほか

私たちの明日は―――
瀬戸内の劇詩人小山祐士が
ヒロシマの祈りを
美しい詩情と哀歓で描く

◆あらすじ
小さな汽船が行き来する瀬戸内海の小さな島。白い大きな花をつける泰山木。その下で質素に暮らすハナ婆さんは、貧しいながらも9人の子供を産み、戦争中に優良多子家庭として大臣に表彰されながら、3人の子は戦死、残る6人の子まで広島の原爆で亡くしてしまいました。早春のある日、一人の男がその家を訪れます。堕胎の罪でハナ婆さんを逮捕しにやってきた木下刑事です。「魂の御楯として天子様に、お国に、お捧げせにゃぁいけん」と次々と子供を育てたハナでしたが、思えば殺されるために産んだようなものだ―。悲しい体験を持つハナは戦後、人助けのつもりで、頼まれると密かに子供をおろしてやっていたのでした。御幸署へ連行する船中でハナ婆さんの話を聞く木下刑事ですが、自身も原爆症のために不具の子供を持つ身の上でした…。

◆作品について

北林谷栄のハナ婆さん役、宇野重吉演出により1963年初演から2003年まで40年(448ステージ)にわたって全国の皆さんに愛された名作ですが、昨年16年ぶりにハナ婆さん役に日色ともゑ、丹野郁弓の新演出で出演者たちも新たに上演しました。本作の主人公は、出征と原爆で9人の子を亡くした哀しみを背負いながらも健気で周囲に愛され、ときに笑いを誘うハナ婆さんだけでなく、原爆の影響や瀬戸内海の環境破壊などから思うように未来を描けずにいる若者たちの物語でもあります。主題曲「わたしたちの明日は」の哀愁漂うメロディ、劇作家・小山祐士さん特有の素朴で美しい瀬戸内のことばを活かしたセリフ、心の温もりと情緒に満ちた庶民たちのやりとり。現代にも通じる行き場のない憤りを作品に込めながらも、執筆にあたって「決して叫んではならない」と自らに課した広島出身の作家の滲み出る思いが、昭和30年代の瀬戸内を舞台に懸命に生きる生活者たちの群像劇として凝縮された作品です。
しばしば20世紀の名戯曲に挙げられる民藝の代表的な演目を私たちの世代でふたたび上演し、名もなき人々の哀しみ、怒り、そして希望を、これからも語り継いでいきたいと願っています。

劇団俳優座「雉はじめて鳴く」

◆例会日程<会場 アリオス中劇場>

2024年
9月11日(水) 開演6:30
9月12日(木) 開演1:00
※上演時間2時間(休憩なし)

作=横山拓也(iaku)  演出=眞鍋卓嗣
キャスト=天野眞由美/山下裕子/河内浩/塩山誠司/清水直子/安藤みどり/
若井なおみ/宮川崇/深堀啓太朗/滝佑里/松本征樹

——例えば彼女が教師じゃなかったら、あの恋愛はスタートしていたのだろうか。
もしも彼が大人だったら、あの恋は成就していたのだろうか。
小さな囲いの中で形成される数百人のコミュニティ。
彼らの眼に映る世界の先に、実社会はつながっているのだろうか。

◆あらすじ
とある県立高校。国語教諭の浦川麻由(演:若井なおみ)は
担任するクラスの舞原健(演:深堀啓太朗)の相談に乗っていた。
健が所属するサッカー部顧問の戸倉治(演:宮川崇)と問題を共有し、
モンスターペアレントの母(演:清水直子)からのケアに気を配る日々。
そんな折、スクールカウンセラーの藤堂智絵(演:安藤みどり)が着任し
意気投合する。
一方、藤堂のもとにはサッカー部マネージャー奥野早織(演:滝佑里)がいの一番に訪れ、「浦川先生と舞原くんが怪しい」と衝撃の告白をする…

◆作品について
本作は、近年数々の演劇賞を受賞し注目されている横山拓也氏が2019年に劇団俳優座に書き下ろした作品です。
教育現場を舞台に、教師と生徒の関係、さらには生徒と親と学校の距離感などを丁寧に紡ぎ「慈愛」に溢れた世界を作り出しています。
演出は、鋭い観察眼を武器に上質な会話劇を生み出すことに定評のある眞鍋卓嗣。本作にて紀伊国屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞優秀演出家賞をW受賞(2020年)致しました。また、本作は演劇サイト「こりっち」において第14回(2020年)「舞台芸術アワード」第一位に輝きました。

ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ 「ミュージカル おれたちは天使じゃない」

2024年
11月8日(金)開演1:30/開演6:30(1日2回公演)
※上演時間2時間20分(休憩15分)

脚本=矢代静一  脚本・作詞=藤田敏雄
音楽=いずみたく/吉田さとる  演出=金澤菜乃英(青年座)

キャスト=横堀悦夫(青年座)吉田吉田雄 大川永 吉村健洋 他イッツフォーリーズ

◆あらすじ
日本のある山荘。年末、雪が降り続く中、父娘が心中を図ろうとしていた。そこへ近くの刑務所から逃げてきた脱獄囚3人、ねじ釘の哲、泉の三太、キャンパスの助六が出くわす。突然の出来事に父娘の命を助けることに。父親は画商であったが、偽の絵画を買わされたため大きな借金を抱えていた。彼らはその父娘を人質に高飛びを計画するが、命拾いをした知恵遅れの少女光子は、彼らを天使だと思い混んで、悪者とは全く疑わない。そこに何も知らずに買い物から戻った姉娘エミ、エミに好意を抱く地元の巡査、更に明を騙した父親の従兄弟の黒川虎男親子も山荘にやってきた。一家に緊張感が走る。果たして、誰が救われるのか……。

◆作品について
フランスのアルベールユッソンの原作を元に、アメリカで映画化された「We are not angels」(1955)が原案。いずみたく・矢代静一・藤田敏雄が、1974年日本に置き換えて舞台化、日本オリジナルミュージカルとし1500回以上35年に渡り上演され続けてきたミュージカル。テーマ曲「翼のない天使」「今・今・今」はミュージカルを離れたスタンダードとしても愛されている曲であり、知恵遅れの少女と、その少女に心を洗われる脱獄囚たちのドラマが、普遍的な評判を得ている。
2021年、演出家を青年座のホープ金澤菜乃英に依頼、ねじ釘の哲役に、横堀悦夫(青年座)と、泉の三太役に、イッツフォーリーズの吉田雄(福沢良一の息子)、ヒロインエミ役に同じく劇団の大川永を配役し、47年ぶりに新演出として起ち上げた。

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