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文学座「再びこの地を踏まず」 異説・野口英世物語

◆例会日程

2018年

9月29日(土)開演6:30

9月30日(日)開演1:00

※上演時間2時間40分(休憩15分)
作=マキノノゾミ 
演出=西川信廣
出演=今井朋彦、若松泰弘、鈴木弘秋 ほか


◆解説

日本人なら誰もが知る天才医学者・野口英世。世界各地の伝染病と闘って名声を得た立志伝中の人物は、実は金遣いの荒い浪費家で借金魔。留学費用に託された大金を一夜で放蕩してしまったりと、破天荒なエピソードは枚挙に暇なく…。伝記などでは決して描かれなかった野口の悪癖をコミカルに活写。故郷猪苗代と母親への想い、葛藤。恩師である血脇守之助や友人の堀一郎との交流。あまり記録に残っていないという妻メリー・ロレッタ・ダージスとの結婚生活など、彼を取り巻く人物たちも魅力に溢れ、時に野口に振り回されながらも手助けをせずにいられません。彼らとの遣り取りを通して“人間”としての野口英世が浮かび上がります。人は一人では生きてゆけないと痛烈に訴えます。
偉人伝ではない人間臭い物語としてマキノノゾミは本作を書き下ろしました。『殿様と私』に続いて二本目となる西川信廣との相性の良さは健在で、コメディタッチの展開から後半一気に濃密な人間ドラマを畳み掛けるつくりは観客を釘付けにしました。一幕では日本から世界へ羽ばたこうと遮二無二全力疾走する姿を、二幕になって妻と友人を大切に想いながらも黄熱病に対峙していく野口の姿を変幻自在に演じ分けた主演今井朋彦の熱演は圧巻です。
観終わったあと大切な誰かを想わずにいられない、そんな優しい気持ちにさせる作品です。

【あらすじ】
明治31年、伝染病研究所の助手見習いとして雑用に明け暮れる野口。そんな毎日に嫌気がさし始め、一日も早く世界へ出たいという野心を抱いています。しかし地位、功績、名声、肝心の渡航資金と何一つ持ち合わせていなかった。郷里の親友から借金をしてもすぐに使い果たしてしまうほど金遣いの荒い浪費家であり、さらに上乗せして無心するほどの途方もない借金魔であった野口。やがて念願のアメリカ留学が現実味を帯びてきたころ、某家の令嬢と婚約。大胆にもその婚約持参金を留学の渡航費に当てようとしましたが、あろうことか自身の壮行会にて全額を使い果たしてしまいます。ホトホト呆れる恩師血脇守之助。しかし彼の熱心な勉強ぶりと誠実さを理解し、野口という人間そのものに魅了されている血脇は、渡航実現に向けて尽力するのでした。
時は流れて明治44年。ニューヨークに新設されたロックフェラー医学研究所に足場を固めていた野口は、ついに病原性梅毒スピロヘータの純粋培養に成功します。そんな折ニューヨークの小さな食堂で、愛想のない無礼な店員(妻となるメリー)と身勝手な振る舞いをする客(野口)が運命の出会いを果たします。そしてこの二人の人生を激しく揺さぶる、黄熱病原体との闘いが刻々と迫っていました。

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